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2021
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04
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第3回 ランドログパートナーインタビュー(プロンプト・K株式会社様)


【ランドログパートナーインタビュー Vol.3】 株式会社PROMPT-X様(旧プロンプト・K株式会社)

【ランドログパートナーインタビュー Vol.3】
株式会社PROMPT-X様(旧プロンプト・K株式会社)

【社名変更に関する注記】
本インタビューの対象企業様は、取材当時「プロンプト・K株式会社」でした。その後、2023年9月1日に株式会社INDUSTRIAL-Xのグループ傘下となり、それに伴い「株式会社PROMPT-X」(プロンプトエックス)へと社名を変更し、現在に至ります。本記事では、インタビュー当時の社名に触れつつ、現在の社名である株式会社PROMPT-X様としてご紹介します。

ランドログとともに、建設業界が抱える課題解決に挑む企業を紹介するランドログパートナーインタビュー。第3回は、株式会社PROMPT-X様(取材当時:カマルク特定技術研究所株式会社、後にプロンプト・K株式会社へ社名変更)にお伺いしました。

株式会社PROMPT-X様は、”時系列データを情報資産にする会社”のビジョンの下で「時系列データベース」とそれを可視化する「リアルボード」を武器に、IoTの世界で生みだされる多種多様で大量のデータを、制限なく自由に扱えるテクノロジーを世の中に提供し続けています。

<お話を伺った方>

岩倉 様株式会社PROMPT-X CEO(鹿児島本社からご参加)

天辰 様株式会社PROMPT-X CTO

今村 様株式会社PROMPT-X CAO(鹿児島本社からご参加)

取材日:2021年3月某日

取材場所:東京オフィス(東京・五反田)

(本記事は、ランドログパートナーインタビューの第三回です。)

ランドログに参加したきっかけについてお聞かせください。

PROMPT-X様:当社はもともと設備系や工場系のIoTに取り組んでいました。その中でWebGLという技術を紹介していたのですが、その話の流れで、現在のランドログ社員の方と接点を持つ機会があり、ランドログで当社の技術を展開できないかと考え、参加することにしたのです。

実際、当社のような業界からみた「建設業」は、何も知らないと土木と建築を一括りに思ってしまうくらい業界文化を把握できていないのが現状でして、土木を一つとっても工種によって会社の関わり方が違うということを接してみて初めて知るような状態でした。

建設業が市場として、とても大きいということは知っていたものの、業界に関する知識は一緒に仕事をしているパートナーから得られるものだけでした。

業界横断のオープンプラットフォームを掲げ、パートナー運営をされているランドログを見たとき、非常に新鮮だと感じましたし、このような取り組みを行っている企業は他にないと思いました。

ランドログは当社にとって、建設業という業界に深く関わることができるチャンスになるのではないかと考えたのも参加したきっかけです。

ランドログ:ありがとうございます。令和元年度のi-Construction大賞でもパートナ制度が高く評価され、国土交通大臣賞をいただけました。

御社のお持ちの技術について紹介していただけますか?

ランドログ:ところで、御社がお持ちのどんな技術が建設業に貢献できると考えていらっしゃいますか?

PROMPT-X様:もともと当社は、「時系列データベースを核とするソフトウェアメーカー」としての立ち位置、かつ、それに「関連するソフトウェアの開発」ということを生業としています。

建設業がこれからICT・IoTでオンラインデータ化していく中で、かなりの大量なデータが生まれてくると思います。当社は「時系列データベース(CLOUDSHIP®)」と、その時系列データを表示する「リアルボード (RealBoard®)」の両方を提供しています。

当社の「リアルボード」という時系列データの見える化ができるサービスは、もちろん独自で提供しているものなのですが、当社の技術をランドログアーキテクチャに対応させることで、現場側もすぐにデータが見えるようになるということに加え、ランドログ上にあるランドログ独自で分析などをしている結果などと連携できるようになると思いました。

当社のリアルボードにより、現場のデータを直ちに見える化することはできるのですが、それだけでは現場業務は回らないと思っています。

ランドログはプラットフォームの上に複数機能を提供していくと考えており、当社はランドログのアーキテクチャに対応して、時系列データを可視化するところに特化して、進めていければと考えています。

ランドログ:御社のお持ちの技術でPoCを行ったこともありますね。

PROMPT-X様:そうですね。過去にランドログパートナー2社とPoCを行いました。

パートナーがお持ちの商材からは、大量のデータが吐き出されてくるため、当社からは、時系列データをリアルタイムに可視化する時系列データベース (CLOUDSHIP) とリアルボード (RealBoard)の仕組みを提供しました。

当社としては、このようにIoTを使って大量のデータが吐き出される仕組みに対して、それらのデータを活用できるように時系列にデータ整理するというニーズは、建設業関係のパートナー様にも使っていただけるという感触を得られた点で、良い機会を得られたのではないかと思っています。

【ランドログパートナーインタビュー Vol.3】 株式会社PROMPT-X様(旧プロンプト・K株式会社)

PoCをやってみて、課題に感じられた点はありましたか。

PROMPT-X様:一番感じたことは、他業種が絡んでPoCを行うことに対する、各社のリソース確保に対する考え方だと思います。

ランドログ:どのような点でリソース確保ということになったのでしょうか。

PROMPT-X様:PoCというのは便利な表現なのですが、実際、データを提供する側、つまり現場の方々は会社の実業の中でPoCの対応をされているということです。自身の基幹となる業務を行いつつPoCのために時間とリソースを確保するとなると、なかなか無理を言いにくいと感じます。

また、PoCが終わった後に感じたことでもあるのですが、PoCを会社の中で運用しようとすると、その先の商用化を見据えて、この商材は売れるのか・展開できるのか、どこがスポンサーなのかなどが見えてこないと、データを出す側がPoCに踏み込めないのではないかという事実もあるのではと思いました。

そういった意味で、ランドログでのPoCにおいては、ランドログ自体が手を離すと、プロジェクト自体が立ち消えてしまうのは必然です。ただ、ランドログの理念を体現する需要自体はあると思いますし、様々なデータをどのように有機的につないでいくかという価値を共有できれば、大きな成果になることは間違いないと考えています。

PROMPT-X様:(プロンプト・K株式会社様が携わった「カスタマイズによる連携事例」として、株式会社岩崎様提供の「ウェザーチェック」のデータ収集・可視化について)取得したデータの視認性や利用効率を向上させるため、ウェザーチェックで取得されたデータをLANDLOGに収集し、収集されたデータを、当社が作成した「リアルボード」を使ってWebGLを活用した3D表示等のグラフィカルな表示ができるようにカスタマイズしました。

ランドログ:パートナーをマッチングしたランドログもしっかり伴走しないといけないと思いました。ところで、ランドログ以外でPoC事例があったりされますか?

PROMPT-X様:PoCではないのですが、当社は日本基礎技術株式会社様と共同で「Ground-4D®」という商用サービスを提供しています。日本基礎技術株式会社様は、地下に薬液を注入して基礎を固めるなどの地盤改良の技術を提供しているのですが、CIMを活用した情報化施工において、 地盤改良の施工状況が3D画像でリアルタイムに確認できるシステムを開発しました。

土木業界は全体的にそうだと感じるのですが、同じ機材を使って複数の会社が現場に入っていますよね。機材はゼネコンが貸して、工事をするのは協力会社というように、現場管理をする方や施工管理をする方がいたりと、実際の現場は複数の会社と複数の専門職の方々が入り交じっているのが現実です。

「Ground-4D」の目的の1つは施主に対するリアルタイムな進捗状況報告と、複数の職種の方々が共通して同じ施工をイメージし、職人の違いによる作業順序の違いを統一させることなどに活用できる点です。3Dと数値やグラフを併用して、進捗状況が見えると分かりやすい、という評価を受けています。

「Ground-4D」は日本基礎技術株式会社様と当社で提供しているサービスなのですが、あくまで構想としてのお話しとして、例えば日本基礎技術様にもランドログにご参加いただき、プラットフォーム上で他のパートナー様にこの技術を応用していくといった展開があったりすると面白いと感じています。

実際にランドログプラットフォームを使ってみていかがですか?

ランドログ:私たちとしては、企業の色を出すのではなく、各社が良いと思った技術を他のパートナーと共有できるような場が提供できれば良いなと感じています。御社の「時系列データを取り扱う技術」や、他のパートナーがお持ちの技術を、どのようにパートナー間で共有していくかが重要だと思いました。

PROMPT-X様:ランドログのプラットフォームは、ランドログアカウントと請求管理の部分が作りこまれているので利便性が高く、かつ認証基盤もよくできていると思います。

ただ、過去のPoCの時にランドログの機能を使ってみたのですが、正直、改善点は“まだまだある”という感想を持ちました。認証やポータルなどに特化したほうが、現場で作業をするSIパートナー様は使いやすいのではないかと感じました。

当社が思うに、ランドログのポイントであるアカウント・認証基盤とクラウドに着目し、シングルサインオンで全体を括り、ランドログIDのみですべてを使えるという機能に特化したほうがいいのではないかと感じています。

このような点を、今後継続してランドログやパートナー企業様と議論していき、改善・発展させていければ良いと思います。

御社のランドログに対する期待をお聞かせください。

ランドログ:御社が建設業へのつながりを持つために、ランドログに期待されていることはありますか?

PROMPT-X様:営業的な側面と技術的な側面でそれぞれあります。例えば首都圏ではゼネコンに私たちの技術を知ってほしいと考えていますが、当社の本社がある鹿児島では環境が違ったりしています。

鹿児島だけではないと思いますが、地方は基本的に国や自治体などの土木工事が中心になっていると思います。その中で、当社が知っている範疇ではありますが、地方の土木でIoTやDXという話はあまり聞かないです。

業界が違うのかもしれませんが、鹿児島ではドローンの活用を耳にします。ドローンを飛ばして川の底をセンシングするなど、ドローンの活用は色々と考えられているようです。

ランドログ:建設業のDXに対する取り組みは、地域によって温度差があると感じられていますか?

PROMPT-X様:地域差があることはどの業界においてもあり得ると思うのですが、当社の営業的なリソースを考えると、ランドログに携わるパートナーの皆様に当社の技術を知ってもらうことが最重要と考えております。そういった観点で、建設業の全体の底上げを掲げているランドログとのつながりをきっかけにして、建設業の皆様と仕事ができる環境ができればと感じています。

【ランドログパートナーインタビュー Vol.3】 株式会社PROMPT-X様(旧プロンプト・K株式会社)

ランドログ:ランドログは業界のしがらみがなく協創しようという立ち位置にあると考えておりますし、その自覚をもって活動したいと思っています。

PROMPT-X様:当社のテクノロジーは、大量のデータを扱い、それらを活用することに特化する技術をお持ちか、ないしは検討しているようなパートナー様と相性がいいと思っています。情報量の多い業界(企業)様と相性がいいので、そのようなパートナー様とうまくマッチングできればと思っています。

また、現場の皆さんに対して、「データを見れば気づくことが多い」ということを、当社の技術を通じて知らせていきたいと思っています。当社のテクノロジーで大量の時系列データを可視化するお手伝いしたいと考えています。

一方、当社ではよく「業務アプリ」まで作りたいという話を相談されたりします。しかし業務アプリは私たちでなくても作れると思っています。

大量のデータを扱っている企業の方々が、業務アプリでデータを見ることができるように時系列データを整理するという点で、私たちのテクノロジーを知っていただきたいと思います。そのようなニーズをもつパートナー様とともに仕事をすることができればうれしいと思っています。

ランドログ:御社のランドログに対する期待の1つはマッチングという点でしょうか。

PROMPT-X様:そうですね。私たちがランドログに期待している「マッチング」に対する考えの背景についてもう少し率直な感想をお話しします。

建設業のアプリケーションは専門性が強いというか、すぐに役に立つという観点で作られるものが多いと思っています。つまり単機能。A検知システム、B検知システムは一緒にできるのにと感じたりします。

システムの導入は進んでいると思いますが、まずはデータをプラットフォームに集めてしまえばいいと思うのです。その集めたデータを整理するところまでは当社が得意としています。

まとまった時系列のデータを業務アプリケーションで表示するようなことをすれば、2つに分かれている業務アプリケーションは1つにまとまるのではと思います。

例えばSIerさんもOracleからデータベースを買ってきます。時系列データベースを取り扱う当社から見ると、自社でデータベースをくみ上げる時代は終わっていると思っているのです。昔は自社でデータベースを作っておられたと思いますが、Oracleを知りとても便利だと感じたのではないでしょうか。

今の時代、リレーショナルデータベースをイチから作ろうというSIerは皆無ではないでしょうか。同じく、IoTソリューション向けの時系列データベースをどう作るかを考える時間より、テクノロジーを買っていただいたほうが早いと思うのです。そう考えると、SIerとつながりをもち、役割を分担できればより早く、より簡単に、良いものが作れるのではないかと考えています。

具体的には、当社は時系列データベースというテクノロジーを卸すので、業務アプリケーションの開発はパートナーのSIer様にお任せするなどの組み方ができると思っています。

実際、地場のSIer様のほうが業務の裾野が広いと思っています。パートナーシップを組むことで当社のテクノロジーを求めていらっしゃるお客様に対して、地場のチャネル (SIパートナー)を活かした対応ができるようになると思います。

ランドログは、ランドログに相談をすれば、そのような座組で対応してくれるというポジションを持っているように思います。だからこそ、マッチングという声は、ランドログのパートナー様の中から多く上がってくるのではないでしょうか。

ランドログ:そういう観点では、ランドログが各パートナー様の立ち位置を知った上で、マッチングをしないといけないですね。

PROMPT-X様:マッチングに対してランドログの配下の商流で動くことに課題はないと思っています。ランドログは受け口であり、そのマッチングで対価を得ても、パートナーはそれ以上のメリットを得られると思っています。

求められているのはリアルな受け皿であり中立性です。実際、ランドログはその立ち位置にあると思っていますし、当社が最もランドログに期待をしているところです。

※「CLOUDSHIP」 「Real Board」は、株式会社PROMPT-Xの登録商標です。
※「Ground-4D」は、日本基礎技術株式会社と株式会社PROMPT-Xの登録商標です。

~ インタビュー後記 ~

「時系列データベース」と、それを可視化する「リアルボード」を武器に、企業が持つありとあらゆるデータを情報資産として活用することを提案している、株式会社PROMPT-X様(取材当時:カマルク特定技術研究所株式会社)に訪問してお話を伺いました。

過去に行ったランドログとのPoCや、実際にサービスとして提供されている「Ground-4D」などの話を伺い、その際の経験談を広くお話してくださいました。

特に、ランドログに対する期待・課題などのセッションにおいては、実際にランドログとの連携を検討した実績などもあり、参考になる意見をたくさん聞かせていただきました。

また、株式会社PROMPT-X様が考えられているパートナー間の技術的な役割分担についても、興味深い意見だったと感じています。インタビュー中の「データを見れば気づくことが多いということを、当社の技術を通じて現場の方に知らせていきたい」という意見に共感しました。

今回のインタビューを通じて、ランドログパートナー様の技術やソリューションを、ランドログパートナー間で共有することはもちろん、対外的に発信していかなければならないと改めて感じました。

株式会社PROMPT-X

https://www.prompt-x.jp/

■本社所在地:鹿児島県鹿児島市荒田1-4-14 丸田ビル202

■東京オフィス アイオス五反田駅前510:東京都品川区西五反田1-11-1

■設立:2002年3月

■事業内容:

  • 時系列データベース及び時系列データ分析ソフトウェア製品販売
  • 時系列データベースを活用したIoTソリューション開発及びサービス販売
  • IoT専門コンサルテーション

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