安全支援アプリ
2026
07
16

【安全支援アプリ活用事例のご紹介】三菱ケミカルエンジニアリング株式会社様

写真1枚をAIに読み込ませ、形骸化するKY活動と外国人労働者の言語の壁を解決。三菱ケミカルエンジニアリングが安全教育を客観化・標準化した事例。

"KYの形骸化"にAIで向き合う ── 写真1枚が変える、多言語現場の安全教育

建設·プラントの現場では、KY(危険予知)活動が長年の慣習として根付いている一方で、「やること自体が目的化」してしまい、本来の目的である「今日の最大リスクの特定と対策」が失われがちだという課題があります。加えて、外国人労働者の増加により、専門用語や安全知識の共有が言語の壁に阻まれるケースも増えています。

ISSUE|形骸化するKYと、言語の壁

KY活動のマンネリ化が最大の課題

現場の担当者が1週間分のKYシートを確認すると、前の週と同じ内容·順番を変えただけのもの、「足元注意·よし」といった形式的な記入ばかり。KY本来の目的(今日の最大リスクを特定して対策·指差呼称する)が失われていた。(小高様)

ICT・DXツールが定着しない

監視カメラ、360度カメラ、各種ツールを試してきたものの、いずれも「導入して終わり」になりがちで、業務に組み込み定着させることが難しかったといいます。

安全よりも品質・工程が優先されがちな現場

現場担当者は品質・工程・協力会社調整を優先し、安全管理が後回しになる傾向がありました。若手は安全知識が乏しく、ベテランへの依存度も高い状態。加えて、現場労働者の約1割を占める外国人労働者(インドネシア・ベトナム・ミャンマー)への専門用語の理解浸透も課題でした。

きっかけ|"写真1枚·数分·低コスト"という手軽さ

ICT·DX推進担当として日頃から情報収集をする中で、展示会や情報メールなどを通じて安全支援アプリを知った小高様。導入の決め手は、シンプルさとコストの低さでした。

写真1枚をアップロードするだけでリスク·対策·類似事例·関連法規まで数分で出力されること、またサブスクリプション型で低コストかつ初期投資が少なく試しやすいことが決め手となった。(小高様)

他社製品は文章入力が必要だったり、自社の安全ルールを初期取り込みするための費用がかかったりすることが多いなか、安全支援アプリはそうした障壁がなく、業務に組み込みやすいと感じたそうです。

HOW|KYシートの添削から、多言語ポスター·QRコード配布まで

現在、三菱ケミカルエンジニアリング様では、安全支援アプリを次のようなシーンで活用しています。

①KYシートの写真読み込みによる評価·添削

KYシートを写真に撮って安全支援アプリに読み込ませ、AIに内容を評価してもらう運用。「自分が言うよりもAIがこう言っている」という形で説得力を持たせ、KYのマンネリ化防止と品質向上につなげています。

②朝礼での日本語・外国語並列ポスター掲示

前日の作業写真からポスターを作成し、翌朝の朝礼に掲示。日本語とインドネシア語·ベトナム語·ミャンマー語などを並べて貼り出すことで、外国人労働者を含む全員が理解できる形で、その日のリスクを共有しています。

③QRコードによる協力会社への配布

QRコードを生成して現場の協力会社(外国人労働者含む)に配布し、スマートフォンからいつでも内容を確認できるようにしています。

展開のステップとして、小高様はまず自身が月2回(法定義務は月1回だが自主的に増やして実施)の現場パトロールでデモンストレーションを実施。「写真1枚でここまでリスクが出てくる」とその場でリアルに見せることで、ベテランを含む現場担当者の理解と関心を引き出し、徐々に現場担当者自身が使うように促していきました。

利用の中心は小高様自身と、石川県·福井県などの外部現場へのパトロール訪問時。若手への浸透はまだ課題として残っていますが、ベテランへのデモンストレーションでは「こんなものがあるとは知らなかった」という好意的な反応が多く得られています。

VOICE|"1台5役をこなしてくれる"という実感

定量的な評価(災害件数の減少など)はまだ測れていない段階ながら、次のような変化を実感しています。

KY活動の品質が向上しつつある。以前は放置していたKYシートに対して、AIの評価結果を使った添削·フィードバックができるようになった。(小高様)

「KYをやること自体が目的」だった意識にも変化の兆しが見られ、外国人労働者への安全周知という点でも、日本語·外国語並列ポスターによって専門用語の壁を越えた情報共有が可能になりました。

工数削減の効果も大きく、小高様は次のように表現しています。

「写真1枚でリスク·対策·類似事例·法令まで、数分で全部出してくれる。1台5役をこなしてくれる」(小高様)

ベテラン層からは「すごいな」という驚きと肯定的な反応が多く、AIの存在自体を知らなかったベテランも、写真1枚で多くの情報が出てくることに感心していたといいます。ベテランでも法令知識が弱いことがあるため、類似事例や関連法規まで示してくれる点は知識の補完にも役立っています。一方で若手への浸透は道半ばで、安全よりも現場管理を優先してしまう意識の課題が残っています。

おわりに

三菱ケミカルエンジニアリング様の事例は、形骸化しがちなKY活動に「第三者の目」としてAIを組み込み、客観性と説得力を持たせることで、属人的だった安全管理を標準化していく取り組みです。多言語ポスターやQRコードによる展開は、外国人労働者が増える建設·プラント業界にとって、多くの示唆を与えてくれます。

「写真1枚·数分で使えるシンプルさと低コスト。AI(第三者の目)によって属人的なKY活動を客観化·標準化できる」(小高様)

写真1枚から始まる小さな変化が、KYの"やること自体が目的"という意識を変え、現場全体の安全文化を一歩前進させています。

写真からAIがリスク「金属製配管による切創」と対策案を表示し、インドネシア語にも変換できる安全支援アプリの画面例。

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